旅人に人気の地、タイ北部の村パーイ。あのなんとも言えないスロー感が大好きで、今回約4年ぶりに再訪することができました。
こちらではチェンマイ~パーイ間のアクセス方法についてご紹介します。
チェンマイからパーイへアクセスする方法
まず、パーイへのスタート地点は北部の街、チェンマイです。このスタート地点であるチェンマイからパーイへアクセスする方法は主に3つあります。
- 車(自家用車もしくはレンタカー)
- レンタルバイク
- ミニバン(ロットゥ)
それぞれにメリットデメリット、気を付けることがあるのでひとつずつ見ていきましょう。
車(自家用車もしくはレンタカー)
タイ在住で現地の運転に慣れている方は、自家用車もしくはレンタカーで訪れる方が多いと思います。北部はチェンマイ市内から一歩抜けるとタクシーなどの足が無くなる場所も多いため、車があると行動範囲がかなり広がるというメリットがあります。
しかし、パーイまでの道のりはヘアピンカーブにS字カーブ。登って下ってまたカーブ…。という具合に、日本では到底経験することの無い峠道の連続です。そのため、車での移動は運転に慣れた在住者以外の方にはおすすめできません。
後ほど紹介しますが、パーイへの道はかなり険しいです。「日本で運転しているから大丈夫!」「海外で運転したこともあるし!」というのはあてになりません。交通ルールも感覚も、日本とは異なる部分がたくさんあります。
レンタルバイク
海外のYouTubeを見ているとバイクでパーイに行っている動画をチラホラ見かけますが、車同様、安全性の観点から普段タイでバイクの運転をしている方以外はおすすめできません。
正直チェンマイでは、国際免許の提示をしなくてもバイクを借りられるところがたくさん存在します。実際、パーイまでの道のりでバイクを乗っている方を見かけたこともありますが、それはあくまで慣れている方だと思います。
どうしてもバイクを運転したいというライダーさんは、パーイに着いてからレンタルバイクを利用しましょう。
ミニバン(ロットゥ)
はい!旅行者の皆さん。パーイはミニバンで行きましょう。これがいちばんメジャーな方法です。チェンマイ~パーイ間は朝から夕方までほぼ毎時ミニバンが出ていますし、事前予約もできます。ここからは、ミニバンの予約方法や車内の様子、パーイまでの道のりについてご紹介します。
ミニバン(ロットゥ)とは?
タイを旅したことのある方であれば、一度は聞いたことや乗ったことがあろうミニバン(ロットゥとも言います)。しかし、旅をしたことがない方はいまいちパッとしないですよね。そんな方は、日本でいうところのハイエースを想像してください。
あの、白いハイエース。人がたくさん乗るあの車です。
想像できましたか?
あれです。
じゃじゃん!!!
タイだと本当によく見かけます。このミニバンのおかげでタイ各地を旅できると言っても過言ではないくらい、メジャーな乗り物です。
チェンマイ~パーイ間を運行している会社
タイ全土、実に様々な路線をこのミニバンが走っているわけですが、その中でもこのチェンマイ~パーイ路線はベスト3に入るくらいの人気を誇ります(注:まちゃこ調べ)。
いまは3社が運行しているそうですが、観光客が使うことになるのは主にPREMPRACHA TRANSPORT。そして、パーイ行きのチケットは事前に予約しておくのがベター。当日窓口へ向かっても空席がなかったり、希望する時間に乗れないことが多いです。乾季ともなればベストシーズンなので尚予約必須です。
予約はPREMPRACHA公式HPへアクセスし、日時や人数を選択するだけです。スマホ、パソコンどちらからでも簡単に予約することができます。
チェンマイバスターミナルの場所
チェンマイにはいくつかバスターミナルがあり、目的地によってターミナルが変わります。今回ご紹介するパーイ路線は、チェンマイバスターミナル2(Chiang Mai Arcade 2)を利用します。
チェンマイ空港から直接バスターミナルへ向かう場合は、空港タクシーを利用して200THBでした。時間にすると大体20分前後で到着します。
一応タイのタクシー配車アプリGrabでも調べましたが、空港タクシーを利用した方が若干安かったのと、待ち時間がなかったのでこちらを利用しました。ちなみに旧市街からの場合は、大体100THB程でアクセス可能です。
基本的にはバスターミナル2で通じますが、不安な場合は「go to pai」「Chiang Mai Arcade 2」と伝えると安心です。ターミナルを間違えると大変なので、私も念のためパーイへ行きたいと伝えました。
チェンマイバスターミナルバス乗り場
バスターミナルはそれほど大きくなく、ぐるっと一周しても数分で周れてしまう規模です。ミニバンを待っている間暇だったので散歩をしてみたのですが、3分くらいで元の場所に戻ってきてしまいました。
パーイ行きのミニバンはちょうどこの屋根下が発着場所です。真ん中に3台ミニバンが停まっていますが、これが全部パーイ行きでした。パーイから戻ってきたミニバンもこの辺りに停車します。そして、到着と同時に後部座席の扉を開け、降りてもきていない観光客に我先にとタクシーやソンテウのドライバーたちが群がります。
でも大体車酔いしている人ばかりなので、タイ人のあのテンションについていけていない感じがとてもシュールです(笑)
もしどうしても場所が分からない場合は、「パーイパーイパーイ…」と声に出して歩くか、プリントアウトしたバウチャーをヒラヒラさせて歩いていれば大体その辺のおっちゃんが声をかけて教えてくれます(本当です!!!)。
「そんな変人みたいなことする勇気ないわ…」という人は、PREMPRACHAのカウンターがあるので大人しくここを探しましょう。
このカウンターの目の前が乗り場です。小さな売店もあるのでここで水など買っておくといいですよ。酔い止めも飲んでおくと安心です。酔い止めはバスターミナル向かいのセブンイレブンに売っています。
往復分で2錠入って5バーツ(約20円)。大体コンビニのレジ横にどさっと置かれています。眠気が強い薬なので、これを飲んだら眠気にあらがわず大人しく寝ましょう。
車内の様子
先ほど想像していただいた日本式のハイエース、覚えていますか?あれをちょっとこう、汚して、年季を入れた感じです。あ、でも大丈夫ですよ!シートベルトもちゃんとついていますし、座席もありますから。タイヤも4本ついています。
しいて言うなら、座席はあまり倒れません。そして荷物を載せるトランクも窮屈なので、荷物は基本屋根置きスタイルです。
前回乗ったときは走行中に屋根から何かが落ちてきて、車が右往左往する道路に消えていったのでザックのポケットなどに物は入れないように注意しましょう!パーイで降りたときには無くなっている可能性があります。
多分あれはカメラか何かのパーツだったように思います。道が荒いので、屋根の上に置かれた荷物は左右に大きく振られます。大事なものは全てザックにしまいましょう!
また、車内はギュウギュウ詰めです。荷物同様、常に体を大きく振られるので、隣席の人とはゼロ距離だと思っておきましょう。あのデスロードを走ることでつり橋効果的な何かが発揮され、恋が芽生える可能性もあるかもしれません。
嘘です。
でも、隣の人がマーライオンになった暁には地獄の時間が続くことは確かです。
過去2回パーイを訪れ往復で4回ミニバンに乗りましたが、マーライオン遭遇率は今のところ100%です!シンガポールに行かなくても会えちゃいます。
ここでの神席は助手席で、その次に一人席。二人掛けに座るのはカップルや友人同士、もしくはネット予約の時点で一人席争奪戦に負けた一人旅組です。普段から乗り物酔いをしやすい方、不安な方は事前予約で助手席を指定しておきましょう。
うわさの762カーブ峠道
はい、きました。パーイに興味を持ち調べたことがある方なら絶対耳にしたことがあろう、「パーイへ行くには762個のカーブを越えなければならない」という嘘みたいなうわさ。
いやいやいや。そんなにカーブがあると思いますか?たった3時間、130km程度の道のりで。さっきもデスロードだの左右に体が振られるだの言ってるけど、面白おかしく盛ってるでしょ~、と思いますよね。
わかりますわかります。日本ではそんな道ないですもんね。想像できなくて当たり前です。そんな方のためにこちらを用意しました。
どん!!!
カーブofカーブ。毛細血管みたいなスクリーンショットを見ているだけで酔いそうです。これがうわさの峠道!山を登って下って、右に左に曲がって…の繰り返しです。
どこを走ってもトンネルがあって、道が舗装されている日本のすごさがよくわかります。日本のインフラを整えてくださっている現場の皆さま、本当にありがとうございます。
このカーブは、チェンマイを出発して1時間半ほど走ったあたりでやってきます。全体的に悪路が続く道のりですが、その中でも特にチェンマイとメーホンソンの県境あたりがいちばんカーブがひどい印象です。
ちなみに私の経験上、
9割のドライバーは飛ばします。
大体80kmでこの山道を爆速していくので、普通に怖いです。シートベルトは必ずしておきましょう。
ミニバンに限らず、タイではタクシーに乗るときもシートベルトは必ずしています。交通事故の多い国なので、こうした小さな安全意識が自分を守ると思っています!
唯一の休憩ポイント
半分ほど走るとドライブインのような場所で休憩です。ちょっとした売店やトイレもありますし、名物キャラクターもいます。
大体ここに到着する頃には怪しい顔色をしている乗客が数名でてきます。車を降りて空気を吸うことで回復する人、「ちょっと酔っちゃったよ、はは(苦笑)」レベルの人、そして、一目散にビニール袋を貰いに売店へ走る人。まあ、ここで袋を貰う人は大体後半死んでます。
ちなみにお手洗いもありますが、タイあるあるで有料なのでお気を付けください。
入口でお金を払い、必要であればペーパーを購入して利用しましょう。
パーイバスターミナル
無事、3時間の悪路を走破するとパーイへ到着します。ここで酔っていれば敗者、酔うことなく涼しい顔で車を降りることができれば勝者です。
パーイバスターミナルはとっても小さく、むしろただの駐車場に等しいです。
本当に、車が数台停まる程度。
一応PREMPRACHAのチケットカウンターもあるので、チェンマイまでの復路や他路線のチケットを相談したい方はこちらを利用できます。念のため、到着時に営業時間の確認をしておくことをおすすめします!
メーホンソン、メーサリアン方面などあるみたいですが、コロナの影響か、私が訪れた2023年5月時点ではチェンマイ~パーイ間しか運航していない様子でした。
パーイからチェンマイへアクセスする方法
チェンマイからパーイへ向かうとき同様、同じようにミニバンに乗って帰ります。但し、確実に乗りたい便がある場合は事前予約必須です。特に始発~午前中の便は人気な印象でした。
パーイのバスステーションにつくと、運転手のおっちゃん達がせっせと車の準備をしています。トランク部分に座席表が貼ってあるので、自分の乗る便を探します。
何台か停まっている中から自分が乗るバンを見つけたら、運転手さんに荷物を預け乗り込みます。出発はほぼ定刻なので遅刻にはご注意ください!
あとは再び762のカーブに耐える
あとは簡単です。762個のカーブに体を振られているうちにチェンマイへ到着します。唯一往路と異なる点と言えば、出発してすぐ山道になることです。
チェンマイからパーイへ向かう際は、少し街中を走ってから次第に山道に入ります。ですが、パーイからチェンマイへ向かう際は出発して10分程度で山道に入ります。そのため、酔い止めは出発の30分くらい前には飲んでおくと安心です。
アトラクションのつもりで楽しもう!
このようにアクセスの悪さだけが難点ですが、この試練を乗り越えた者だけが辿り着けると思うとなんだかわくわくしますよね。パーイはチェンマイと違った田舎感が残る、ゆっくりとした時間を過ごせるおすすめの場所なので、ぜひアトラクションに乗るつもりで挑戦してみてください!
コメント